シェイクスピアの名作「ハムレット」の魅力を、わかりやすく簡単にあらすじを通してご紹介。
この物語は、デンマークの王子ハムレットが中心です。
彼の父、王が急死し、叔父クローディアスが王位を継ぎ、ハムレットの母ガートルードと結婚します。この出来事に深い悲しみと怒りを感じるハムレットですが、物語はここから始まります。
ハムレットのあらすじを簡単に
ハムレットの主な登場人物を簡単に。
主な登場人物
- 主人公:ハムレット(デンマークの王子)
知的で複雑な内面を持ち、父(王様)の死、また母(王妃)の再婚に深い悩みを抱える - 叔父:クローディアス(デンマークの新しい王)
ハムレットの父(王様)を殺害し、その後ハムレットの母(王妃)ガートルードと結婚。 - 母:ガートルード:(デンマークの王妃)
ハムレットの父の死後、クローディアスと結婚。 - 宰相(首相):ポローニアス(ハムレットの恋人の父)
新王クローディアスに忠実で、ハムレットの行動を監視する。間違えられてハムレットに殺されてしまう。 - 恋人:オフィーリア(ハムレットの恋人)
宰相(首相)ポローニアスの娘。物語の進行と共に父の死やハムレットの行動により精神的に追い詰められる。 - 恋人の兄:レアティーズ(ハムレットの恋人の兄)
宰相(首相)ポローニアスの息子で、父(ポローニアス)が殺されたことでハムレットに対して復讐心を抱く。 - ハムレットの親友:ホレイシオ:
ハムレットの親友で、ハムレットのの忠実な支持者。
物語の始まり
この物語は、デンマークの王子ハムレットが中心です。
彼の父である王が急死し、
叔父にあたるクローディアスが王位を継ぎ、ハムレットの母(王妃)ガートルードと結婚します。
この結婚の背景は物語には書かれてないようですが、時代的背景から母ガートルードが政治的な理由や王位の安定、あるいは叔父のクローディアスへの何かしらの想いから結婚したことが考えられそうです。
「弱きものよ、汝の名は女なり」
(Frailty, thy name is woman!)
この有名なセリフも出てきますが、
これは母の行動に対する不満を表現し、女性の地位に対しる時代背景もあってか、女性の性質を「脆い」と評しています。
この結婚はハムレットにとっては父(前王)の死後すぐだったことからハムレットには衝撃的で、深い悲しみや強い不満を抱くことにもなり、物語全体を通してハムレットの行動や心理状態に大きな影響を与えます。
亡霊との出会いと復讐の誓い
ハムレットは城の外壁で父の亡霊に出会います。亡霊は自分が叔父クローディアスによって毒殺されたことを告げ、ハムレットに復讐を求めます。
当初は疑いながらも、
亡霊が知るはずのない父の死の原因など詳細を語ったことから、ハムレットはその言葉を信じ、父の復讐を誓うんですね。
進む葛藤や苦悩
物語が進むにつれて、
ハムレットは内面的に深い葛藤に陥ります。
特に父の死の真相を探る過程で彼は自問します。
「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」
(To be, or not to be: that is the question)
誰もが一度は聞いたことがあるこの有名なセリフは、ハムレットが直面する道徳的であったり哲学的な問題を象徴しているようで、物語の中盤における彼の心理状態の深刻さを示しているようです。
真実の追求とポローニアスの死
ハムレットは父の死の真相を暴くため、
叔父クローディアス(新王)の前で演劇を上演して見せます。
この演劇で、父の死を模したシーンを見た叔父(新王)は動揺し、部屋を急いで立ち去ったことから、ハムレットは叔父の罪を確信します。
ハムレットは母ガートルードにこれまで抱いていた感情(失望や怒り)などを話し、その話をしているとき、カーテンの後ろに宰相ポローニアス(恋人の父親)が隠れていて(ハムレットを監視していた)、それをハムレットは叔父クローディアスと間違え殺してしまいます。
これが悲劇の連鎖を引き起こします。
悲劇の連鎖
宰相ポローニアスの死により、彼の娘でハムレットの恋人であるオフィーリアは精神的に大打撃となり、最終的には命を落とします。
ポローニアスの息子レアティーズは、父と妹の死の復讐を誓い、叔父で新王のクローディアスはこの機会を利用し、ハムレットを排除しようと計画します。
剣術試合のクライマックス
物語は剣術試合のシーンでクライマックスを迎えます。
この試合は、叔父クローディアスによって仕組まれた罠で、ハムレットを排除するために宰相ポローニアスの息子レアティーズ(恋人の弟)と共謀し、毒を使った剣術試合を計画します。
この試合で、ハムレットと(恋人の弟)レアティーズは互いに重傷を負います。
またこともあろうに母であるガートルード王妃は、ハムレットを殺害するために用意された毒入りのワインを知らずに飲んでしまい死亡します。
ハムレットは叔父クローディアスを殺し、自身も傷がもとで命を落とす、といった、正に「そして誰もいなくなった」みたいな、なんとも壮絶な結末を迎えます。
ハムレットの最後の言葉
ハムレットの最後の言葉は「残りは沈黙だ」(The rest is silence)。
沈黙だけが残る、逆に言えば、沈黙しか残らない。
これは、ハムレットの人生の終わりと、
ハムレットが経験した混乱や苦悩など全てからの解放を象徴しているように見えますね。
ハムレットの内面の闘いが終わり、あとはもうやり残したことはない、思い残すことはない、といったような、平穏を見つけたことを示唆しているようでもありますが、死を通じての究極の沈黙と平和への到達を意味しているのかもしれません。
参照元: Wikipedia (英語), Wikipedia (日本語)
海外や日本の反応は?
「ハムレット」に対する海外の反応と日本の反応、またその違いについてまとめてみました。
海外の反応
- 学術的評価:
海外の学者や文学評論家は「ハムレット」をシェイクスピアの最高傑作の一つとして評価し、その複雑なキャラクター描写と心理的深みが注目されてるようですね。
出典: Royal Shakespeare Company - 演劇界の反応:
劇作家や俳優はハムレット役を演技の挑戦と見なし、この役は俳優のキャリアにおいて重要なマイルストーンとされてるようです。
出典: Wikipedia - 一般読者の反応:
海外における一般の読者は、
物語の普遍的なテーマや人間の脆弱さと内面の葛藤に共感を覚えるようです。
出典: Cambridge University Press
日本の反応
- 文学的評価:
日本の文学者や学者は「ハムレット」を西洋文学の中でも特に重要な作品として評価し、人間の内面を深く掘り下げたキャラクターの描写に高い評価を与えているようです。
出典: 広島大学 - 演劇界の反応:
日本の演劇界では「ハムレット」は古典的な作品として頻繁に上演され、日本の伝統的な演劇スタイルと融合させた舞台も見られます。
出典: 成城大学 - 一般読者の反応:
日本の読者は、物語の哲学的な側面や登場人物の複雑な心理状態に興味を持つことが多いようです。
出典: NHK
海外と日本の反応の違い
- 文化的背景:
海外では、特に英語圏において、原文の言語である英語の文脈で広く受け入れられているようですが、日本では翻訳を通じて紹介されるため、言語のニュアンスや文化的背景が日本的な解釈を通して再構築されることがあるようです。 - 演劇の表現:
英語圏の演劇界では、シェイクスピアの原文を忠実に再現することに重きを置く傾向があるようですが、日本ではシェイクスピア作品を日本の伝統的な演劇スタイルと融合させる試みが見られることがあるようです。 - 教育的アプローチ:
海外では、シェイクスピアの作品は英語教育の一環として扱われることが多く、言語学習の素材としての側面が強調さるようですが、日本では、文学作品としての解釈や文化的な側面に焦点を当てることが多いようです。
まとめ
今回は、有名な作家シェイクスピアが書いた「ハムレット」という物語について、わかりやすく説明しました。
物語の主人公はデンマークの王子であるハムレット。彼は、父親が亡くなり、その後すぐに母親が叔父と結婚することに深い悲しみと怒りを感じます。物語はハムレットが父の死の真相を探り、復讐を誓うところから始まります。
この物語は、世界中の人々に愛されていますが、日本と他の国では少し受け止め方が違うようでもありますね。文化や言葉の違いが、物語の理解に影響を与えるから、ということになりそうですが、日本では、この物語がどのように翻訳され、どのように舞台で表現されるかも興味深いポイントです。
「ハムレット」は、人間の心の中の複雑な気持ちや、正しいことと間違ったことについて考えさせられる話ですし、生きることと死についても深く考えさせられるものでもあります。
シェイクスピアの素晴らしい言葉の使い方と、この物語の深い意味は、これからもずっと多くの人に読まれ、考えられることになるのでしょう。
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