オセロ(シェイクスピア)あらすじを簡単に!イアーゴの最後はどうなる?

「オセロ」はシェイクスピアによる4大悲劇の1つ。

モール人という珍しい設定の主人公オセロを取り巻く愛と嫉妬、裏切りの物語ですが、複雑な人間関係とその描写が魅力ですね。

今回はこの「オセロ」の主要な登場人物とあらすじを簡単に見てみましょう。

また物語の最後、イアーゴはどうなったかも見てみます。

オセロのあらすじ

では早速オセロのあらすじを見ていきましょう。

まずは主な登場人物と相関関係から。

主な登場人物

  • オセロ:主人公
    ヴェネツィアの軍で高位の将軍。モール人(アフリカ系)。貴族の娘デズデモーナと秘密裏に結婚し、イアーゴの策略によって彼女が不倫してると疑うようになる。部下にはカッシオ、イアーゴがいる
  • デズデモーナ:オセロの妻
    ヴェネツィアの貴族の娘。オセロとの愛によって父親との関係が悪化。イアーゴの策略の犠牲者となり、オセロによって誤って殺害されてしまう。
  • イアーゴ:オセロの部下(中尉)
    物語を大きく動かす悪役。オセロと彼の部下カッシオに対して深い嫉妬を抱き、策略を巡らせることで物語を悲劇的な結末へと導く。
  • カッシオ:オセロの部下(副官)
    オセロによって副官に任命される。イアーゴの策略により失脚するわ、オセロの妻との不倫疑惑を掛けられるわで踏んだり蹴ったり。
  • エミリア:悪役イアーゴの妻、デズデモーナの侍女
    夫イアーゴの策略に加担してしまうが最後には真実を明かし、オセロにその妻デズデモーナの無実を訴える。

では以下オセロの物語のあらすじを
簡単に見ていきましょう。

秘密の結婚と父の反対

主人公のオセロはヴェネツィアの軍で高い地位にある将軍さん。

オセロは「デズデモーナ」という若くて美しい女性と秘密裏に結婚するんですが、この結婚、彼女のお父さんには反対されてしまいます。

父親に反対されても結婚した娘、ということで、このことが後に自分の妻を疑う要因にもなる大きな伏線にもなるんですね。

イアーゴの策略

オセロの部下に「イアーゴ」「カッシオ」がいますが、この二人が物語を大きく動かすことになります。

オセロは副官に「カッシオ」を任命するわけですが(二人の階級ではなく、能力を評価してのことなのでしょう)、でも自分の方が適任と思っていたイアーゴはこれには内心激オコ。嫉妬の念にも駆られ、なんとかオセロ、そしてカッシオを陥れようと企みます。

イアーゴが狙ったのはまず副官「カッシオ」。

カッシオを陥れるために、彼を酔わせてトラブルを起こさせます。その結果、カッシオは副官の地位を失い、イアーゴは念願の副官に就任。

さらにイアーゴは、オセロを陥れるため、妻デズデモーナがカッシオと不倫していると疑わせるよう、彼女のハンカチをカッシオの手に渡るように仕組みます。

オセロはまんまとその策略にハマってしまい、このハンカチを見て自分の妻デズデモーナの不貞を確信してしまうんですね。

ここで最初の伏線、父親の反対を押し切って結婚した(父を裏切ってでも結婚した)ということが、自分のことを裏切っているかも、という心理につながってそう。

愛と裏切りの悲劇

オセロはデズデモーナを殺害する決意を固め、でも勿論彼女は最後まで自分の無実を訴え続けます。でも、オセロはイアーゴの言葉に完全に惑わされ、自分の妻の言葉を信じることができません。

妻のデズデモーナが亡くなった後、イアーゴの妻エミリア(デスデモーナの侍女)が真実を明かし、オセロは自分の誤りに気づきます。時すでに遅しですが、オセロはイアーゴを刺し、その後自らも命を絶ちます。

イアーゴは逮捕され、その後の処罰が待っています。

『オセロ』は、愛と嫉妬、信頼と裏切りという複雑な感情を見事に描いています。特にオセロがイアーゴの言葉によって徐々に嫉妬と疑念に駆られていく様子は、読んでいても胸が痛くなってきちゃいますね。

参照: Wikipedia – Othello

イアーゴの最後は?

シェイクスピアによる「オセロ」にはイアーゴは最後どうなったかまでは書かれてません。

最後は悲惨な結末が待っているというのは話しの流れから分かりますが、このオセロには元になった物語がありますね。

その物語とは、イタリアの作家ジロルアモ・チンティオ(Giraldi Cinthio)による短編集『ヘカトミティ』(Hecatommithi)に収められている「不幸なモール人の物語」(The Unfortunate Moor)。

「不幸なモール人の物語」では、モール人の将軍と彼の美しい妻、そして悪意に満ちた部下について語られてますが、シェイクスピアはこの物語を基に、独自の複雑な心理描写やドラマを加えて『オセロ』を創作したようです。

この「不幸なモール人の物語」に登場する悪役の部下には名前はないようですが、他の犯罪で捕らえられ最後は拷問を受けた後に処刑されるようです。

オセロの結末では、シェイクスピアの作品に良くみられるように、最後その人はどうなった?みたいに具体的な記述はないようですが(読む人の想像に任せる、みたいなところですね)、原作から考えると、やはりイアーゴの最後は悲惨な結末に至る、ということは考えられそうです。

オセロとモール人について

主人公のオセロはモール人。

モール人とは、主に北アフリカ出身のイスラム教徒を指す歴史的な用語で、中世ヨーロッパでは、特にアフリカやイベリア半島(現在のスペインとポルトガル)の住民を指して使われていたようです。

黒人または暗い肌の人々と関連付けらたようで、主人公オセロがモール人という設定は当時のヨーロッパの演劇では非常に珍しいものだったようですね。

そうした背景から、過去ではオセロ役を白人俳優が黒塗りメイクで演じたようですが、20世紀に入ると、より多様なキャスティングが行われるようになり、黒人俳優がオセロを演じることが一般的になったのだとか。

その最初の黒人俳優は「ポール・ロブスン」(1898年4月9日 – 1976年1月23日)

引用元:WIKI – ポール・ロブスン

1930年にロンドンでオセロを演じてます。

彼の演技は歴史的なものとされ、オセロ役における人種的なバリアを破る重要な瞬間とも言われているようですね。

ポール・ロブスン演じるオセロの写真が残ってます。

引用元:WIKI-オセロ(英語版)

ポール・ロブスンはその後、1943年にはニューヨークで再びオセロを演じ、1945年までアメリカ合衆国をツアー。

このオセロの上演は、シェイクスピア演劇のロングラン記録ともなったようですね。

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