【不思議の国のアリス】あらすじを簡単に!実在のアリスとの関係も

ルイスキャロルの有名な物語「不思議の国のアリス」。

ウサギを追いかけ不思議の国で冒険を繰り広げるアリスの物語ですが、あらすじを簡単&詳しく紹介します。

また物語に深く関係した実在のアリス(アリス・リデル)や出版の経緯、ディズニー映画との違いも一緒にまとめてます。

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不思議の国のアリス:あらすじ

夢見る少女の驚異の始まり

ある暑い夏の日のこと。
物思いにふける少女アリスが、何やら慌てふためくウサギを目にします。

でもこのウサギ、ただ者ではありません。
なんとウエストコートを着て、懐中時計を気にしているんですね。

これには誰もが「えぇ?」となると思いますが、それはアリスも同じです。この不思議な光景に興味を持ったアリスは思わずウサギの後を追いかけます。

そしてアリスは穴に飛び込み、不思議の国の物語が始まります。

サイズの変わる謎の飲み物と食べ物

アリスが到着したのは不思議の国。
この国では不思議なことがいっぱい起こります。

「飲め」と書かれたボトルや「食べろ」と書かれたケーキ。飲んだり食べたりすると、アリスの体の大きさが大きくなったり小さくなったりとコロコロと変わります。

こうした不思議な出来事に戸惑いながらも、アリスは冒険への期待で心を躍らせます。

奇妙な出会いと深い疑問

アリスはこの不思議の国で、
すごく変わった住人たちと出会います。

しゃべる青虫、いつも遅刻しているウサギ、消えたり現れたりするチェシャ猫。

アリスはこの不思議なキャラクターたちとの出会いを通して自分自身の考え方を見つめなおしたり、現実と非現実、論理と狂気の境界を行ったり来たりしながら新しい発見をしていきます。

狂気の女王との対決

そうした出会い、
いろいろな冒険をしている中で、アリスはついに狂気の女王の裁判所へ。

ここでは無実の住人たちを不当に扱う不公平で理不尽な裁判を女王自らが行っています。それを見たアリスは「これはダメだわ!」と彼らを助けようと決心します。

(アリス、えらいぞ!頑張れ!)

この場面では、アリスが女王の命令に立ち向かい、自分の意見をはっきりと言い、真実を守ろうとしますが、女王は怒り「首をはねろ!」と命令します。

こうした混乱の中で、アリスは自分が夢の中にいることに気づき始め、現実へ戻りたいと強く思います。

この経験はアリスにとって大きな成長の機会となっているようです。

全ては夢だった?

最後にアリスは目覚めて、すべてが夢だったことが分かります。
(夢オチってやつですね)

この『不思議の国のアリス』は、子供の好奇心や想像力を掻き立てたり、また大人から見ても現実の厳しい規則から解放されたような楽しさがあったりと、今なお時代を超えて愛される続ける物語になってますね。

参考)
Alice’s Adventures in Wonderland – WIKI

不思議の国のアリス:主な登場人物

不思議の国のアリスの主な登場人物について、
おさらいに改めて見てみましょう。

  1. アリス:(7歳~10歳ぐらい)
    物語の主人公。好奇心旺盛な少女で、夢の中で不思議の国に迷い込み、様々な不思議な経験を通して、自己発見と成長を遂げる。
  2. 白ウサギ:
    アリスが最初に出会うキャラでいつも慌ててるウサギ。ウエストコートを着て懐中時計を持ち、アリスを不思議の国へと導きます。
  3. チェシャ猫:
    不思議の国の住人。消えたり現れたりする能力を持つ猫。アリスに対して哲学的なアドバイスを与えたりする重要な案内役。物語を超えた人気キャラ。
  4. 青虫:
    知識豊かで哲学的な青虫。
    アリスとの会話では、アリスに自己探求のヒントを与える重要キャラ。
  5. 狂気の女王:
    不思議の国の支配者であり女王。
    非常に気まぐれで独裁的。裁判所での不条理な裁判は、アリスの冒険のクライマックスともなる。

最初に出会うウサギも有名ですが、
特にチェシャ猫は物語における重要キャラでもあり、誰もが一度はこの「チェシャ猫」という名前を聞いたことがあるかもしれません。

不思議の国のアリス:実在のアリスと経緯

「不思議の国のアリス」にまつわるエピソードも沢山ありますが、その中でも実在のアリスと出版の経緯をちょっとご紹介です。

この「不思議の国のアリス」では、著者ルイス・キャロルと関係が深い実在の少女が大きな影響を与えているようです。

少女の名前は「アリス・リデル」(1852-1934)。

引用元:Alice Liddell – Wikipedia

アリス・リデルは、キャロルの友人「ヘンリー・リデル」(1811-1898:学者・教育者)の娘で、10人兄弟姉妹の4番目。

1862年、キャロルはアリス(当時10歳)とその姉妹たちをボートに乗せ、オックスフォードの川を下りながら物語を語ったようです。(即席でお話を作ったのかな)

その日語られた物語が後に『不思議の国のアリス』として世界に知られる物語の原型となりますが、アリスはその物語が大好きでキャロルにそれを書き留めるよう頼み、またキャロルもその願いを叶えるために「Alice’s Adventures Under Ground」(地下のアリスの冒険)としてまとめ、それをアリス・リデルに贈ったようです。

実在のアリスがキャロルにこのお願いをしなかったら、今ある「不思議の国のアリス」の物語も存在しなかったかもしれません。

その後、キャロルはアリスに贈った話を元に『不思議の国のアリス』(Alice’s Adventures in Wonderland)を書き出版。今なお世界中の人々に愛され続ける物語となるんですね。

​​ちなみに実在のアリスは生活の困窮から、キャロルから贈られた原稿(Alice’s Adventures Under Ground:地下のアリスの冒険)を後に売ってたりします。

原稿はオークションにかけられ、アメリカのコレクターにより落札され、落札価格は15,400ポンド(約1億6千万ぐらい?)。その後、その原稿は書籍愛好家のグループを経て後にイギリスに寄贈され、現在はブリティッシュライブラリー(大英図書館)に保管されているようです。

参考)
Alice Liddell – Wikipedia

時系列で見ると、以下になるようですね。

  1. キャロルがアリスに話を語った:1862年
    ボート旅行中にルイス・キャロルがアリス・リデルとその姉妹たちに物語を語る。
  2. アリスがキャロルに要望:1862年
    アリスがキャロルにお願いし、キャロルは「Alice’s Adventures Under Ground」として原稿を作りアリスに贈った。
  3. 「不思議の国のアリス」の出版:1865年
    その原稿をベースに拡張・改良を加えた後、1865年に「Alice’s Adventures in Wonderland」として出版され大ヒット!
  4. 実在のアリスが原稿を売却:1928年
    アリス・リデルは1928年(76歳の時)、生活が苦しかったことから、キャロルから贈られた原稿をオークションで売却。(ちなみにアリスは82歳没)
  5. 原稿がイギリスに寄贈される:1948年
    アメリカの書籍愛好家グループがこの原稿を購入後、キャロルが生まれ育ったイギリスに寄贈。現在はロンドンの大英図書館に保管されている。

原作との違い

キャロルが実在のアリスに贈った元々のお話し(Alice’s Adventures Under Ground:地下のアリスの冒険)とその後出版された「不思議の国のアリス」の違いを見てみると、「不思議の国のアリス」では以下のエピソードやキャラが追加されてるようですね。

  1. 狂ったお茶会(Mad Tea-Party):
    アリスが帽子屋(Mad Hatter)、三月ウサギ(March Hare)、眠りネズミ(Dormouse)と一緒にお茶会をするシーン。
  2. チェシャ猫(Cheshire Cat):
    チェシャ猫は「消える能力」や「不思議な言葉遣い」でも知られてますが、元々のお話には出てこなかったようですね。
  3. クイーン・オブ・ハーツ(Queen of Hearts)とのクロケットゲーム:
    アリスがクイーン・オブ・ハーツとその奇妙なクロケットゲームに参加するシーン。
  4. モックタートル(Mock Turtle)とグリフォン(Gryphon):
    アリスに不思議な物語やダンスを披露するシーン。

これらが『不思議の国のアリス』で追加され、元々が子供向けの物語だったところから大人も楽しめる興味深いものへと進化し、世界中で子供から大人まで愛される物語となったようです。

出典: Wikipedia – Alice’s Adventures in Wonderland

ディズニー映画との違い

最後にディズニー映画との違いも見てみましょう。

ディズニーのアニメ映画「ふしぎの国のアリス」(1951年)は、ルイス・キャロルの小説『不思議の国のアリス』だけでなくその続編『鏡の国のアリス』も取り込まれてます。

だからというか、
キャロル著『不思議の国のアリス』(以下原作)とディズニー映画では、いくつかの違いが出てますね。

  • 話の流れの違い:
    原作ではアリスが不思議の国で出会うさまざまなキャラや出来事はほとんど関連性がなく、一つ一つ独立したエピソードとして語られています。ディズニー映画ではアリスが白ウサギを追いかけ繰り広げられる一連の物語となってます。
  • 物語の結末の違い:
    原作の最後は夢オチ(最後はアリスが夢から覚める)となってますが、映画ではアリスが不思議の国から脱出するという結末になっています。
  • 追加キャラ:ツイードルディとツイードルダム
    ツイードルディとツイードルダムの双子の兄弟は、原作の続編『鏡の国のアリス』で登場するキャラクター(「不思議の国のアリス」には出てこない)。ディズニー映画では、アリスが森で迷子になったときに出会うコミカルな双子の兄弟として登場し、『セイウチと大工さん』の話を聞かせたり、赤の女王の兵士に襲われたりします。
  • 省略キャラ:グリフォンとモックタートル
    原作では、アリスはクロッケーの後に「グリフォン」と出会い、「モックタートル」という架空の動物に連れて行かれます。モックタートルは自分の学校時代の話や歌をアリスに披露しますが、映画ではこのエピソードは完全カット。映画にすると冗長になると判断されたのかもしれませんね。
  • ダイナ(アリスの猫):
    原作では、アリスは不思議の国での冒険の中で度々自分の飼い猫(ダイナ)のことを思い出したり話題にしたりします。映画ではダイナは最初のシーンでアリスと一緒に登場するだけで、その後は全く登場しません。飼い猫(ダイナ)はアリスの心の支えともなるようですが、映画ではそうしたキャラの必要がなかった、ということになるのかも。

ちなみにキャロル著の「不思議の国のアリス」は、ディズニー映画の邦題では「ふしぎの国のアリス」と、漢字ではなく平仮名になってます。

なんで?と思って調べてみても、どこにも説明はないようですが、多分キャロルの方は文学作品としての位置づけであり、普通に漢字があてられ、ディズニー映画では、子供にも読みやすく、とか、より親しみやすく、など考えて平仮名で表現してると考えられそうです。

まとめ

  • あらすじ:
    好奇心旺盛な少女アリスがウサギを追いかけて不思議の国に迷い込み、不思議な飲み物や食べ物、奇妙な住人たちとの出会い、狂気の女王との対決などを経験。アリスが夢から覚めて物語は終わる
  • 主な登場人物:
    アリス、白ウサギ、チェシャ猫、青虫、狂気の女王など
  • 物語はルイス・キャロルがアリス・リデルという実在の少女に語った話が元になっている。後に『不思議の国のアリス』として出版さた。
  • ディズニー映画は原作の『不思議の国のアリス』と続編『鏡の国のアリス』の要素を組み合わせていることから、話の流れや登場キャラクター、結末など、いくつかの違いがある

私も大好きなこの「不思議の国のアリス」。

この物語は何度読んでも引き寄せられる面白さがあり、これからもずっと世界中の人に読まれ、心に残る物語となっていくのでしょう。

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