アインシュタインは何した人?簡単に分かりやすく解説してみた!

世界的に有名な科学者であり「天才」と表現される「アインシュタイン」。

それだけ有名なのに、具体的に何をした人なのか「相対性理論」以外にはパッと頭に浮かんでこないこともありますね。(そもそも相対性理論とは何かも分かってないし)

今回はアインシュタインは何をした人なのか、重要な業績や科学界に与えた影響や、仮にアインシュタインがいなかったら世の中どうなっていたのかを簡単に分かりやすく解説します。

アインシュタインは何をしたか

天才の誕生: アインシュタインの驚異的な一生

アルバート・アインシュタインは、1879年3月14日に誕生。(ドイツ帝国のウルム)

1955年4月18日にアメリカで亡くなってます。(ニュージャージー州のプリンストン)

理論物理学者として広く知られ、特に「相対性理論」で有名ですね。

アインシュタインは「量子力学」(物質の最小単位(粒子)がどう振る舞うかを説明する学問)にも重要な貢献をし、20世紀初頭に科学の自然理解を根本的に変えた中心人物。
(でも量子力学の確率的な考えは反対していたんですけどね)

アインシュタインの質量とエネルギーの等価性を示す「E=mc²」という方程式は凄く有名ですね。

若き日の天才: 数学と哲学への情熱

アインシュタインは若い頃から物理学と数学に才能を発揮し、なんと12歳(小学校6年生に相当する年齢の時)で代数学、微積分、ユークリッド幾何学を独学で学んでます。

アインシュタインは「自然を”数学的構造として理解できる”」と確信していたようですね。

アインシュタインの学問への情熱は、アインシュタインが13歳の時に哲学者カントの「純粋理性批判」(どのように物事を理解できるか、その理解の限界は何かを探求するカントの試み)を読むことで、哲学にも広がります。

奇跡の年: 世界を変えた4つの革命的論文

1905年(アインシュタイン26歳の時)は「奇跡の年」と呼ばれ、この年に4つの画期的な論文を発表しています。(以下)

  1. 光電効果に関する論文
    光電効果とは「光が金属に当たると電子が放出される現象」で、アインシュタインは「光が粒子のように振る舞う」ことを示しました。この理論は量子力学の基礎を築き、現代の電子工学、特に太陽電池や光センサーなどの技術に直接的な影響を与えてます。この業績によりノーベル賞を受賞しています。
  2. ブラウン運動に関する論文
    ブラウン運動は「液体や気体中の微小な粒子が不規則に動く現象」。アインシュタインは、これが分子の運動によるものであることを数学的に説明しました。
    この論文は原子や分子の実在を強く支持する証拠となり、原子論を加速し、また、統計力学の発展にも寄与したようです。
  3. 特殊相対性理論に関する論文
    この論文で、時間と空間の相対性を示し「速度が光速に近づくと時間が遅くなる」ことを示して大反響。この理論は、物理学の基本的な枠組みを変え、GPS技術などの現代の技術にも大きな影響を与えています。
  4. 質量とエネルギーの等価性を示す論文(E=mc²)
    質量(m)とエネルギー(E)は等価であり、「エネルギーは光速(c)の二乗に比例する」といった関係にあることを示しました。
    この方程式「E=mc²」は超有名ですが、原子力や核兵器の理論的基礎を提供し、また、宇宙物理学やエネルギー研究においても重要な役割を果たしています。

知の探求: 一般相対性理論とその先へ

1915年(アインシュタイン36歳、特殊相対性理論発表の10年後)には「一般相対性理論」を提案し、重力を含む力学のシステムを拡張。

特殊相対性理論では「速度が光速に近づくと時間が遅くなる」としてますが、一般相対性理論ではさらに進めて「重力が強い場所では時間が遅く進む」ことを示してます。

またこの一般相対性理論では「重力が空間を歪める」という考えも示してますね。

  • 重力が強い場所では時間が遅く進む
  • 重力が空間を歪める

なんのこっちゃい?!、という感じですが、
たとえば、トランポリンを想像してみてください。
(体操の選手がぴょんぴょん跳ねるやつね)

トランポリンは平面で、
そこにチリは埃(ほこり)が落ちても平面のままで何の変化もありません。

でもそこにボーリングの玉みたいな重いものを乗せると、平面だったところが重みでグンと下に沈みます。

ボーリングの玉の周りは、もともと平面だったところが下に引っ張られる形で歪みますよね。

このように重いものの周りは(目に見えてないだけで)実は空間は歪んで(ゆがんで)しまい、その歪んだ場所では時間が遅く進む、ということを一般相対性理論では示してます。

この一般相対性理論が日常生活に役立っているか、というとGPSの精度を上げることには関連しますが(地球上では場所によって重力がことなり僅かな時間の違いが出るために補正する必要があるのだ)、日常では人が実感できるくらいの空間のゆがみはないことから、中々実感するケースはないですね。

一般相対性理論は、想像を超える重さ(重力)を持った宇宙空間(惑星やブラックホールなど)の振る舞いを理解したり説明するのに役立ってます。

一般性相対性理論が身近に感じられるとしたら、SF映画の世界のように、遠い将来タイムマシーンが開発されたときになるかもしれません。(タイムマシンの開発では、一般相対性理論はその理論的基盤となる可能性がありそうですね)

天才の葛藤: 量子理論への挑戦

アインシュタインの研究生活の後半では、量子理論の導入に反対し、「神はサイコロを振らない」という有名な言葉を残してます。

量子理論とは、言ってみれば「確率的な考え方」。

ある条件がある時、80%の確率でこうなり20%の確率でこうなる、みたいな「1つに決まらない」という考えになりますが、アインシュタインは、何か条件が与えられると、その結果としての答えは1つに決まる、という「確定的な考え方」だったんですね。

(まぁ、一般人が考える考え方はそうですよね。1+1=2,みたいな)

それでもアインシュタインが上で見た奇跡の年(1905年)に発表した1つにある「光電効果に関する論文」では「光が粒子のように振る舞う」ことを示し、これが量子力学の確立に大きな貢献をしています。

量子理論の「確率的な考え」には納得できないアインシュタインが、その量子理論の基礎に貢献しているというのは、何か不思議な感じですね。^-^;)

アインシュタインは量子理論の数学的な側面では納得できても、そこから実際に起きる物理現象に対する解釈には納得できてなかった、ということになるのでしょう。

また、重力と電磁気を含む「統一場理論」の構築(異なる力を1つの理論や方程式で示そうとした)に生涯を通して取り組みましたが、これは未完のまま。今なお多くの研究者たちによって研究されているようです。

(この統一場理論が完成すると、新しい技術が生み出され、世界も大きく変わるかもしれませんね)

天才の遺産: アインシュタインの影響

アインシュタインの理論は物理学にとどまらず、哲学など他の分野にも大きな影響を与えたようです。

その業績は、科学と人類の理解に革命的な変化をもたらし、だからこそアインシュタインは「天才」という言葉でも表現されます。

  1. 物理学への影響:
    ここまで見たように、アインシュタインの相対性理論は「時間と空間」の本質に関する理解を根本から変えました。特に一般相対性理論は重力の理解を大きく変え、ブラックホールや宇宙論の研究に不可欠な基盤となってます。
  2. 技術への影響:
    相対性理論は、GPSシステムのような現代技術に直接的な影響を与え、人々の生活に大きな変化、進化を与えてます。
  3. 哲学への影響:
    アインシュタインの理論は、実在論(この世界はどのように存在しているかという問い)や時間の本質に関する哲学的議論(時間とは何かという問い)に新たな視点を与えてます。科学と哲学の境界をつなぎ、異なる分野の対話を促進したことになりますね。
  4. 科学の考え方に影響:
    アインシュタインの理論は、ニュートン物理学(計算で1つに決まる力学)の枠組みを超え、量子力学(確率的な力学)の発展にも大きな影響を与えてます。物質とエネルギーの理解が深まり、科学の新たな時代が開かれたってことになりますね。
  5. 文化的な影響:
    アインシュタインは科学者以上の存在で「天才」の代名詞ともなってます。アインシュタインの顔や名前は、新しいアイデアを生み出す創造力の象徴として、世界中の人々に知られていますね。

もしアインシュタインがいなかったら

もし「アインシュタインがいなかったら」世界はどうなっていたかを考えると、逆にアインシュタインは結局何をしたのかが分かりやすくなりそうです。

相対性理論とGPS:

アインシュタインの相対性理論は、時間が速度や重力によって変わることを示しています。この理論を使った身近な代表例はスマートフォンでよく利用されるGPS機能。

GPSはとても便利で、今どこにいるなどの位置情報を正確に得られますが、この正確な位置を得るために相対性理論を使っています。(衛星と地球上の時計の時間の違いを正確に計算するため)

アインシュタインがいなかったら、GPSが仮に実用化されていたとしても、今ほどその位置情報は正確ではなかった可能性があります。

どこかに旅行に行くのに迷ってしまったり、それだけならまだしも、運送中のトラックが迷ってしまい正しく荷物を運べなかったり、救急車や消防車など緊急サービスも到着が遅れたり、飛行機や船も正しい運航ができないことが発生する、といった、現代もまだまだこれからの時代、という感じになっていたかも。

相対性理論と医療:

アインシュタインの相対性理論は、現代の生活にいろいろと大きな影響を与えてますが、GPS以外にはたとえば医療機器。

がん治療に放射線療法がありますが、がん細胞を破壊するために高エネルギーの粒子ビームを使用してます。相対性理論により粒子ビームを制御することで、より効果的で安全ながん治療が可能になってます。

がん治療に関連するものPETスキャン(PET検査)がありますが、こちらも相対性理論が使われているので、アインシュタインがいなかったら、こうした治療は難しいものになっていたかも。

光電効果と日常の技術:

アインシュタインがノーベル賞を受賞した光電効果。

光電効果(1905年)は量子力学の基礎を築くことになりますが、もしアインシュタインがいなければ「量子力学の発展は数年から数十年遅れたかも」ということが考えられます。
(あくまで仮定のお話ですよ)

  1. コンピューター技術の遅れ:
    量子力学の遅れは、トランジスタや半導体技術の進歩に影響を及ぼし、つまりコンピューター技術の発展も遅れる可能性があります。実際には1970年代後半から1980年代にかけてPC(パーソナルコンピューター)が普及してると思いますが、これが1980年代後半から1990年代にずれ込む可能性があったかも。
  2. インターネットの普及の遅れ:
    同じように、インターネットの普及も遅れた可能性もあるでしょう。
    実際には1990年代の初めにインターネットは広まり始めてますが、アインシュタインがいなければネットの普及が2000年代の初めになっていたかもしれません。
  3. 医療技術の進歩の遅れ:
    先ほども出てきた医療機器。
    量子力学も医療機器(MRIやPETスキャンなどの高度な画像診断技術)の開発に貢献しています。アインシュタインがいなければ、これらの医療技術の進歩も遅れ、現代医療の発展が数十年遅れていた可能性も考えられそうです。

あくまで「仮に」というお話ですが、
アインシュタインがいない世界では、上で見たような科学技術が数年から数十年ほどは遅れが出ていた、ということが言えそうです。(例えば今から20年前はどんなだったかを想像してみるとよいですね。スマホなどは存在していない世界)

E=mc² とエネルギー

アインシュタインの有名な式「E=mc² 」。

これは「エネルギーは質量(重さのようなもの)と同じもの」であり、「エネルギーは光の速さ(C)の二乗に比例する」というものです(それだけ物質に含まれるエネルギーは巨大なのだ)。

この式は原子力に理解するために大きく貢献していて、「原子力 何々」となると、そのすべてがアインシュタインの原理に直結しているとも言えますね。(例えば原子力発電所)

アインシュタインがいなかったら、原子力発電所などの「原子力 何々」といったものの開発も遅れていたかもしれませんし(もしかしたらまだなかったかも)、そうなると今の便利な世の中は、まだまだエネルギー不足に悩まされていたのかも。

たとえば、停電が頻繁に起こり家庭での電力使用が制限されたり、工場もエネルギー供給の問題で生産を停止することがあったかもしれません。(もの作りがうまく進まない)

またエネルギー不足は交通機関にも影響を及ぼし、電車やバスの運行が安定しなかったりで、アインシュタインがいなかったら、現在の生活に大きな影響が出た、ということが言えるかも。

なぜ相対性理論でノーベル賞とならなかった?

アインシュタインの相対性理論は、現代の生活に大きな影響を与えてます。

それほど偉大な理論ですが、
アインシュタインは相対性理論でノーベル賞を受賞してません。「え?そうなの?」と不思議に思う人も多そうですが、何を隠そう、私もその一人(笑)

相対性理論でノーベル賞を受賞しなかった理由は、その理論が難解であり革新的で、どうやら当時の科学界がその理論を完全に受け入れていなかったから、というのと、理論の正しさを確認するための実験的な証拠が不足していた、ということからのようです。

つまり一部の人にしかその素晴らしさが理解されてなかったし、実験で正しさが確認できておらず(つまり理論だけのものになっていた)、またその理論が実際どのように具体的な利益をもたらすのか(学問や日々の生活への影響)も明確ではなかった、というのが理由になるでしょう。

ちなみにアインシュタインは1921年にノーベル物理学賞を受賞してますが、「光電効果に関する論文」(光電効果の法則の発見と光量子仮説)の量子力学における成果に対してであり、これは当時の科学界から広く認められ、具体的な応用が見込まれていたことからになるようです。

アインシュタインの略歴

アインシュタインが何をしたのかを中心に、略歴も見ておきましょう。

  • 1879年(0歳):ドイツのウルムで生まれる
  • 1895年(16歳):チューリッヒ工科大学の入学試験に落ち、スイスのアールの学校に入学
  • 1896年(17歳):チューリッヒ工科大学を再受験し、見事合格。
  • 1900年(21歳):チューリッヒ工科大学で数学教師の資格を取得
  • 1902年(23歳):ベルン(スイス)で特許担当官として採用される
  • 1905年(26歳):「奇跡の年」に4つの画期的な論文を発表。
    (光電効果、ブラウン運動、特殊相対性理論、質量とエネルギーの等価性(E=mc²)が含まれる)
  • 1909年(30歳):チューリッヒ大学の教授に就任
  • 1915年(36歳):一般相対性理論を提案
  • 1919年(40歳):日食の観測で一般相対性理論の正しさが証明され、世界的な名声を得る
  • 1921年(42歳):物理学のノーベル賞を受賞(光電効果に対してのもの)
  • 1923年(44歳):ボーアとの量子論に関する議論が始まる
  • 1933年(54歳):ナチスの迫害を逃れてアメリカに移住
  • 1940年(61歳):アメリカ市民権を取得
  • 1955年(76歳):ニュージャージー州プリンストンで亡くなる

アインシュタインが重要な4つの論文を発表したのは、スイスの特許庁で働いていた時の話。(主に電気通信関連の特許申請の審査をしていたようです)

アインシュタインからすると、安定した収入と研究に費やす時間が得られる環境を手にしたことになり、それが「重要な4つの論文」へとつながった、ということになりますね。論文作成は勤務時間外や夜間、週末に行われていたようです。

また、1905年の重要な4つの論文の発表した当時、理論物理学の分野では評価されたようですが、実際に国際的な名声を得たのはその後14年経ってから。

1919年(40歳)に日食の観測が行われ、一般相対性理論で予測されていたことが正しいと確認されたことから、世界中に「アインシュタイン」の名が広まった、ということになるようですね。

まとめ

  • アインシュタインは、理論物理学者として「相対性理論」を提唱
  • 量子力学の発展にも貢献し、特に光電効果に関する研究でノーベル賞を受賞した
  • 特殊相対性理論では「時間と空間の相対性」(速度が光速に近づくと時間が遅くなる)を示し、一般相対性理論では「重力が空間を歪めること」(重力が強い場所では時間が遅く進む)を示し、宇宙論の基礎を築く
  • アインシュタインの理論は、GPS技術や医療機器など、現代の多くの技術に影響を与えている

今回見たように、アインシュタインは単なる科学者ではなく、時代を大きく変える、行ってみれば革命家でもあったことがわかりますね。

その理論は現代の日常にも大きく影響し、アインシュタインがいなかったらどうなっていたかを考えると、その偉大さがより一層分かるようです。

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