舌切り雀の話では、欲深いお婆さんが悪者になってますが、本当にお婆さんが悪いのか、実は雀が悪いのでは?なんて思ったりすることありますね。
ここでは、誰が本当は悪いのか、
お婆さん、雀、お爺さんの行動や心理などを深堀してみました。
まずはお婆さんから順に見ていきましょう。
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お婆さんが悪いの?
この舌切り雀の話の面白いところは、
「お婆さんが本当に悪いの?」
「実は雀が悪いのでは?」
「実は本当に悪いのはお爺さん」
など話しがされること。
一般的には、欲深いと表現されるお婆さんが悪者になると思います。
自分の作ったノリを食べられ、怒るのは仕方のないことだとしても、雀の舌を切ってしまうのはやり過ぎでは?という点と、欲にまみれて大きな葛籠(つづら)を持ち帰り、やり過ぎたことへの報復としてお化けが出たことからです。
現在版の舌切り雀では、お化けが出た後逃げ帰った、で終わるものもが多いようですが、初期の頃のバージョンでは、最後は虫や蛇に噛まれて殺されてしまう、というところまで書かれてます。
実は雀が悪いの?
では本当にお婆さんが悪いのか、
という視点で見た時に、実は雀が悪いのでは?というお話もありますね。
お爺さんに助けられ、お爺さんに大切に育てられた雀。
でもそんな中、お爺さんの親切な行為を裏切るような「お婆さんが作ったノリを食べてしまう」ということをしてしまいます。
冷静に見ると、あまりにうかつな行為とも言えるところで、だから罰を受けてしまった。
その罰は、「お婆さんのノリを食べてしまう」といった行為に比べて確かに酷いものでしたが、元々は自分が行った行為が事の発端。
さらに雀はお婆さんを懲らしめるために、化け物が入った葛籠を渡す、ということもしてますね。
こうした視点で見ると、
「いや、そもそも雀が招いたことだよね」
「本当は雀が悪者では?」
なんていう考えも出てきます。
更に「いやいや、本当に悪いのはお爺さんでは?」なんていう視点もあります。
本当に悪いのはお爺さん?
事の発端は「雀がお婆さんのノリを食べてしまう」ですが、その後さらに「怒ったお婆さんが雀の舌を切ってしまう」という暴挙に出ます。
でもなぜお婆さんがここまでの事をしてしまったのかを深読みすると、そこには「嫉妬」というものがありそうです。
お婆さんは欲深いにしてもお爺さんと夫婦です。
雀が来るまでは、お爺さんとそれなりに暮らしていたことが想像できますが、そこに割って入ってきたのが雀。
お爺さんは雀を可愛がり、
お婆さんのことをそれまでに比べてあまり気にかけなくなったかもしれません。
お婆さんから見れば、
お爺さんは自分が毎日やっていることに対して関心も持ってくれないし、お爺さんが可愛い女の子に夢中になっている、という感じにも見え、実は嫉妬の炎がメラメラと湧き上がっていた。
雀は雀で、お婆さんに対するお爺さんの態度から、もしかしたらお婆さんのことを軽るんじて見るようになってたのかも。(いやこれは深読み過ぎるか)
だから雀は軽い気持ちでおばあさんのノリを食べ、だからお婆さんもノリを食べられた時に、単に嫉妬も絡んで怒りの炎が巻き起こり、怒るだけではなく舌を切る、という行動にまでなってしまった。
お爺さんが雀を可愛がるのは良いとしても、それまでと同じようにお婆さんも気にかけていたら雀は舌を切られず、また、物語の中でお爺さんが雀のお宿に訪れた時「お婆さんのノリを食べてしまってごめんなさい」と謝っていることから分かるように、雀も悪いことをしたと自覚しているので、お婆さんが単に怒っただけなら、お婆さん、お爺さんに謝って、その後は3人仲良く暮らしていたのかもしれません。
まとめ
- お婆さんが悪い説:
怒りのあまり、雀の舌を切ってしまった - 雀が悪い説:
そもそもお婆さんのノリを食べ、信頼関係を崩してしまった - お爺さんが悪い説:
そもそもお婆さんをないがしろにしていたのかも。
昔話なのでいろいろな解釈ができますが、
この「誰が本当に悪いのか」を考えると、より物語が楽しくなりますね。
色々深堀した結果、現代の家族物語に置き換えるとお爺さんが浮気した人にも見えたりするし(笑)、でも物語を素直に読めば、お婆さんも雀もちょっとやり過ぎたかな、という感じもしそうです。
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