【鶴の恩返し】あらすじを簡単に!本当の話は怖い内容?!

鶴の恩返しは、助けてもらった鶴が機を織り、人間に恩を返す物語。

「若者が鶴を助けてお嫁さんになる」お話し、
「老夫婦が鶴を助けて娘になる」お話と、
内容が若干異なるバージョンがあるようです。

ここでその両方のあらすじを簡単にご紹介!

また原作ともなるお話しと
今知る鶴の恩返しとの違いもあわせてみてみましょう。

鶴の恩返し:あらすじを簡単に

若者が鶴を助けお嫁さんになる鶴の恩返し>

  • 若者と娘の出会い
    貧しいが働き者の若者が、冬の寒い日に罠にかかった鶴を助ける。数日後、美しい娘が若者の家に現れ、娘が若者と一緒にいたい、ということで、やがて二人は夫婦になる。
  • 娘と機織り
    娘は機織りをし、若者が売りに出ると高価な値段で売れた。呉服屋が訪れ反物を更に高価で購入することを申し出て、さらに若者に「夫婦でも機織り姿を見せないのは妙だな」と若者にそそのかす。娘は体力の限界を感じているが、若者の頼みで再び機を織ることに。
  • 空高く舞う娘の正体
    若者は娘がやつれていて心配になり、また呉服屋にそそのかされたことあって約束を破り機織りを覗く。すると娘ではなく鶴が自分の羽で機織りしていることを知る。鶴は若者に助けられた鶴であり恩返しのために機織りをしていた。正体を知られた鶴は、若者に別れを告げ、空高く舞って飛び去るのだった。

このバージョンは、助けた鶴が娘となり若者と夫婦になる、という流れです。

呉服屋にそそのかされたこともありますが、欲を出した若者が娘に3度目の機を織らせ、更に覗いてしまい、娘は鶴に戻って飛び去ってしまう、という物語。

老夫婦が鶴を助け娘になる、鶴の恩返し>

  • 老夫婦と娘の出会い
    貧しい老夫婦がいた。おじいさんがある時、罠にかかった鶴を助ける。その後雪の降る寒い夜、親を亡くし親戚を渡り歩いていた娘が道に迷い老夫婦の家を訪れた。老夫婦の家にお世話になり、暖かな気持ちの老夫婦と過ごすうちに、知らない親戚より、その家の娘になりたいと申しでる。
  • 娘と機織り
    ある日、老夫婦への恩返しとして娘は機織りをした。この布を売りまた糸を買ってきて欲しいと頼むのだ。布は高く売れ、娘は再び機織りをすると、同じように、その布を売り糸を買ってきて欲しいと頼む。老夫婦は豊かになった。
  • 空高く舞う娘の正体
    それでも娘が3度目の機織りをする時、老夫婦も娘が心配になり、つい約束を破って機織りを覗いてしまう。そこで娘ではなく鶴が自分の羽で機織りしていることを知る。正体を知られてしまった鶴は、老夫婦に別れを告げ、空高く舞って飛び去るのだった。

こちらは若者ではなく、老夫婦の元に助けた鶴が訪れる流れ。

鶴は老夫婦の娘となり、恩返しのために機織りしますが、3度目の機織りの時につい覗いてしまいます。

若者のバージョンと同様、正体を知られてしまった鶴は空高く飛び立ってしまいますが、この老夫婦版では若者の場合に見る強欲さというのは出てこず、でも約束を破って大切なものを失ってしまう、というのは同じです。

では、若者バージョンに焦点を当てて
詳しいあらすじを見ていきましょう。

鶴の恩返し:あらすじを詳しく

若者と罠にかかった鶴

昔々ある山の中、
働き者ですが貧しい一人の若者がいました。

ある寒い冬の日、
一羽の鶴が罠にかかり、
悲しげに泣いているのを見つけます。

「かわいそうに。でももう大丈夫。さぁ、お逃げ。」

若者は鶴を罠から外し、逃がしてあげます。

鶴も嬉しそうに空高く舞い、
まるでお礼を言うように鳴きながらどこかに飛んでいきました。

娘と若者お出会い

それから数日後のこと。
雪が降り注ぐ中、戸を「トントン」と叩く音が聞こえます。

「こんな夜更けに誰だ?」

戸を開けると、そこには美しい娘がいました。

「道に迷ってしまいました。どうか一晩泊めてくださいまし。」

若者は可愛そうに思い、
粗末ながらもあたたかな食べ物を用意して、
娘をいたわります。

でも次の日も、その次の日も雪は降り続け、
一向に止む気配がありません。

娘は泊めてもらうお礼にと、
掃除をしたりご飯を作ったりと若者を助けます。

一人寂しかった若者の家の中が、
まるで花が咲いたように明るくなりました。

別れから一転夫婦に

「いつまでもこの娘が家にいてくれたら...」

そう若者は願いますが、別れの時も近づきます。

やがて雪が止み、晴れた日が訪れました。

「これでこの娘ともお別れか...」

そう若者が思っていると、なんとその娘が

「私をお嫁にしてください」

と言うんですね。

「いいのですか?
僕は貧しいから良い暮らしはできません。」

「それでも良いのです。あなたのそばにいたいのです」

二人は夫婦になり、
貧しいながらも幸せな日々を一緒に過ごします。

お正月と機織り

そうこうしている内に
お正月が近づいてきます。

「今年は嫁もいるし、
いつもより良いお正月が迎えられたらな...」

若者がそう呟いていると、
娘が「機を織りたい」「機を織る場所を作ってくださいな」と若者にたのみます。

お安い御用だとばかり、
若者は早速娘のために、機を織る場所を作ります。

「絶対見てはダメですよ。約束ですよ。」

そういうと、
娘は三日三晩、機を織り続けます。

キッコ、パタン、キッコ、パタン。
キッコ、パタン、キッコ、パタン...

四日目の朝、出来上がった反物を若者に渡し、
これを売ってきて欲しいと言うのです。

その反物は、それは見事なものでした。

若者は娘に言われた通り街に出て、
その反物を売ると、すぐ売れてしまいました。

「人がすごく集まったんだ。凄かったよ」

ニコニコ話す若者の話を嬉しそうに聞く娘。

そのおかげで
二人はとても良いお正月が迎えられました。

更に頑張る

するとまた娘が機を織り始めます。

「絶対見てはダメですよ。約束ですよ。」

今度は四日四晩、機を織り続けます。

キッコ、パタン、キッコ、パタン。
キッコ、パタン、キッコ、パタン...

五日目の朝、
「これを街に出て売ってきて欲しい」と願います。

そういう娘の顔を見ると
やつれた様子で若者は心配になりますが、
言われた通り街に出て売ると、今度は前より更に高く売れました。

「今度はもっと高く売れたよ!
凄い評判だったんだ!」

そう話す若者に、
少しやつれた娘は嬉しそうにうなずくのでした。

欲を見せる若者

それから何日もたたないうちに
反物の評判を聞いた呉服屋が訪ねてきます。

「もっと高く買うから、反物を作ってほしい。」

「あの反物はどうやって作ってるんだ?
何?夫婦でも作ってるところを見せてくれないだって?それも妙な話だな」

若者も確かに妙だと思いましたが、約束は約束。見せることはできません。

でもその夜、
若者が娘に反物を作ってほしいと尋ねます。

「しばらくお休みしたいのです...」

娘は嫌がりますが、

「もっといい暮らしが出来るんだよ。せめてもう一度だけ」

そう頼むと、娘は機を織り始めます。

「絶対見てはダメですよ。約束ですよ。」

空高く舞う鶴

でも今度は今までと様子が異なります。
機を織る音が途切れになったりするんですね。

キッコ… パタン … 、
キッ … コ… パタン … 、

そう言えば最近、あの娘も少しやせたな...

若者は娘が心配になるし、
どうやって織っているかも見てみたい。

「呉服問屋の言う通り、夫婦なんだから、ちょっとぐらい良いよな...」

そっと覗いてみると、
なんとそこには娘ではなく鶴が機を織っている姿がありました。

自分の羽を1つ1つ抜き、
それを縫い込んで機を織ってます。

きっと今までもそうしていたのでしょう。
鶴の羽はすでにかなりの数が抜け、可愛そうなぐらいの姿になってました。

「見てしまいましたね ...」

「私はあなたに助けられた鶴。
恩が返したくてここに来ました。
あなたの喜ぶ顔が見たくて一緒にいましたが、
正体を知られたからにはもう一緒にいられません」

「待て!どこにも行かないでくれ!」

若者は後悔しましたが、もう時すでに遅し。

若者は、空高く舞い遠くに飛び去って行く鶴をただ見るだけでした。

この物語は何が言いたい?

この物語を教訓的に見てみると、
以下のようなことが言えそうです。

  1. 恩を受けたら返すもの:
    物語は、助けた鶴の恩返しを通して、恩を受けたら返すものだよ、ということを教えているようです。
  2. 約束を守る重要性:
    「機織りをしているところを見ない」という約束を破った結果、二人の幸せが失われることから、約束を守ることの大切さが示されてるようですね。
  3. 欲による破滅:
    老夫婦のバージョンには出てこない欲。貧しかった若者が、さらに豊かな生活を求めて娘(鶴)に思わず辛い労働を求めてしまい、最後には大切な人を失ってしまうという結果になりますが、欲深さがもたらす破滅を示してます。
  4. 愛と献身:
    娘(鶴)が助けてくれた人のために自らの羽を使って反物を織る姿は、愛と献身を象徴しているように見えます。人を助けることの重要性を示しているように見えますね。
  5. 美しい感謝の気持ち:
    助けてくれた人のために織る反物は、それは美しいものとなってます。感謝の気持ちを表すのはそれ自体が美しく、またその形もどんなものでも尊い、というメッセージにも見ることができそうです。

本当の話は怖い内容?

この鶴の恩返し、本当の話はどうなっているか調べてみると、類似の話も多く、これだ、と専門家の間で定説になっているものはないようです。

中国の鶴氅裘が大元?

ただその中で、中国の唐の時代の「鶴氅裘」(かくしょうきゅう)の寓話が原型である、という説があるようですね。

一体どんな話なのか、と、中国語サイトを検索しましたが、「鶴氅裘」という名の服の説明があり、でも、物語の説明まで行きつけませんでした。

新潟の昔話が元?

また、いま日本に伝わる鶴の恩返しは、柳田国男(1875年:明治8年 – 1962年:昭和37年)による『全国昔話記録』の中の『佐渡昔話集』(1932年)にある「鶴女房」が元になっている、というお話があります。

佐渡は勿論、新潟県。
つまり新潟の昔話が元になっている、ということになりますね。

この「鶴女房」のお話は、
調べてみると、新潟の昔話として、以下で読むことができます。

鶴女房 – 新潟県の昔話 | 民話の部屋

あらすじは以下の通りですが、
老夫婦ではなく、貧しい若者と娘(鶴)のお話し。

昔あるところに、貧しい若者がいた。

ある寒い冬の日、若者が山へ柴刈りに行った時、矢で射られた鶴を見つけ、矢を抜き薬草を塗り、その鶴を助けたんだ。

すると寒いある晩に、
一人の美しい娘がその若者の家に訪れる。

「一晩泊めてくださいませ」

可哀想に思った若者は娘を泊めてやるが、その娘、日がたっても一向に旅立つ様子がない。

でも家事をしたり掃除をしたり、若者が家に帰ると夕食の支度をして暖かく迎えてくれたりと、若者はとても嬉しかった。

ある日家に帰ると、なんとその娘、
「私はあなたの嫁でございます」というではありませんか。

「いや、ちょっと待った。嬉しいけど、私は自分一人が食べるので精いっぱい。とても嫁を迎えられる状況ではない」

そういうと、娘はにっこりと微笑みます。

「心配いりませんよ。私に考えがあります」

そういうと、嫁は若者に頼んで機織り小屋を作ってもらった。

「錦の布を織りますので、中を覗いてはダメですよ」

それから娘は7日間たてこもり、朝から晩まで錦の布を織り、7日過ぎて出来たその布は、それは素晴らしいものだった。

「これを殿様に売ってきてください。
1000両にはなるでしょう」

何?千両?

一両さえ持ったことのない若者は、これにはたまげた。

でも殿様のところに持っていくと、本当に1000両で買ってもらえ、でも殿様に「もう1つ織ってもってこい」とも言われてしまう

それを嫁に伝えると、
「断ることであなたの命が危なくなるなら、もう1つ織りましょう」と、再び機織り小屋に入っていく。

「7日間、絶対中を見ではダメですよ」

若者はその間、「糸もないのにどうやってあんなに素晴らしい錦の布が作れるのだろう」と不思議に思い、とうとう中をのぞいてしまします。

そこには嫁の姿はなく、
自分の羽を1つ1つ抜いてはそれを織り込む鶴の姿がありました。

鶴の羽はもうほとんどない。
可愛そうに全身赤い地肌が見えるほど。

嫁が機織りを終わり、若者に出来上がった錦の布を渡した時、悲しい表情でこう言った。

「私はあなたに助けられた鶴なのです。ご恩を返したくて、優しいあなたのそばにいたくて、やってきました。」

「約束したのに、あなたは中を覗いてしまいました。正体を知られたからには、もうここにはいられません。」

楽しい日々をありがとう、と言い残しつつ、外に出たと思ったら、一声大きく鶴の鳴き声が響き、たくさんの鶴が嫁の鶴を抱きこむようにして空のかなたに飛び立ったのでした。

この新潟に伝わる昔話、
柳田国男のまとめた「鶴女房」と同じ話ですし、今知る「鶴の恩返し」と凄く似てますね。

前身の羽が抜けた、可哀想すぎるぐらいの姿を見られても、嫁は最後まで布を織り続け、若者に渡すとういところに、嫁の深い愛が感じられるお話です。

きっと機を織りながら、別れを考え泣いていたことでしょう。

昔話の元になるお話は、例えば「一寸法師は、実は化け物として両親から追い出したいと思われていた」とか、日本昔話ではないですが「シンデレラでは、義理の妹たちに悲惨な結末が訪れる」など、実は怖い話だった、というのは良くありますが、この鶴の恩返しでは、そうした怖い内容は含まれてないようです。

調べ切れてない中国の「鶴氅裘」というお話には、もしかしたら(今の価値観から見ると)怖いというか残酷なシーンが含まれてるかもしれませんね。

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まとめ

  • 鶴の恩返しには、主に若者のところに読めるに来るバージョン、老夫婦の娘になるバージョンがある
  • 物語は、いずれも恩を返すことの大切さ、約束の大切さ、欲をかきすぎると良くない、などの教訓がメッセージとして込められているように見える
  • よくある昔話のように、本当の話は怖い、というものではなく、古くは中国の唐の時代の書物にその原型がみられるようだ
  • 日本では、新潟の昔話が元になるようで、その話では若者と鶴の娘が夫婦になり、機織りも7日間と長く、また、織った錦の布を殿様に1000両で買ってもらう話になっている

私も大好きな昔話の一つが、この鶴の恩返し。

若者や老夫婦と大きく2つのバージョンがありますが、人の娘となり、恩を返しにやってくる鶴には、思わず感情移入してしまいますね。

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